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葡萄野色世さま宅の棺ちゃんお借りしました:)
ご本人様のみお好きにどうぞ**




「ダーティーったら酷いのよォ…アタシ、ここで暮らしてもう何年になるか分かんないぐらい一緒にいるのに、ぜんっぜん振り向いてくれないの!」
「…それって本当に何年もいるの?時間の感覚が無くなるって話は幽霊にはよくあることだけど、」
「もう、棺ちゃんたら冷たいんだから!アタシはずっとダーティーと一緒なのよ!誰が何と言おうとそうなの!!」
「そうだね…まぁ仲良くしたらいいんじゃないかな。それよりその目どうなってるのちょっと触らせて」
「うおおッちょやめてよォ!そんなこと言ってつぶしちゃうつもりでしょ!恐ろしい子どもねアンタ!!ちょっと地声出ちゃったじゃない!!!」

淡々と目の前の幽霊の言葉を拾いつつ適切な知識を披露して見せて、
それでいてちゃっかり目玉を潰してみようという純粋な好奇心で指を伸ばしてくる棺に
ヴィレッタはぎょっとした様子で身を引いた
もし彼女が生身の人間の眼球に本当に触れようものなら、
きっとそれは床のた打ち回る大惨事に発展するだろうということは誰にでも予想がつくのに、
棺はけろりとした顔で懲りずにこの恐ろしい実験を繰り返そうとする、そう、『幽霊の目玉は潰れるのか、否か』。
棺とヴィレッタ、二人が座るテーブルは、当然、幽霊のヴィレッタが思い切り身を引いても物音一つ立てなかった。

「ヴィレッタさん痛みなんて感じないはずでしょ…、幽霊なんだから」
「えっそういう問題じゃないわよ!?怖い物は怖いのよぅ…!!!だってほんとに目玉つぶれちゃったらどうするの?アタシ、ダーティーに毎晩まぶたの上にお休みのキスしてもらってるのに…」
「そうだね…確かに潰れないって保証はないけど。」
「棺ちゃん、アンタ後半のコイバナ頑ななほどに触れないわねアタシのことイジメてるの」

ヴィレッタが言い終わるか終らないかのところで棺は取ってつけたようにぽつりと呟く、だって分からないもの。
棺の冷たい態度にヴィレッタは盛大な溜息を吐いて見せて、そのむくれた顔で彼女を見つめた
こんなに可愛い顔をしておいて、吐く言葉が「目玉触らせて」じゃあんまりよ!!
しかもコイバナは分からないと来た、18と言えば恋に恋する時代じゃないのよ!!!
彼女の一方的な思い込みを含む文句は声にはならなかったけれど、
クールな表情を保ったままの棺の首を少し右に傾けさせた

「どうしたの」
「…いい?棺ちゃん…女は恋してナンボなのよ」

こい、と棺の小さな口がゆっくり動く
それでもまた彼女は首を斜めに傾けてしまって、その口は分からないを繰り返した
ヴィレッタは眉を上げて肩をすくめて見せたけれど、
彼女が付け加えた「いいのよ、」に彼女なりの気遣いがこもっていたことには棺にも何となくわかったようで

「今は分かんなくたって、そのうち分かるようになるんだから。アタシなんか死んでからよ?運命の人に出会ったのは」

少し口角を上げたヴィレッタが、はにかみながらもそう呟く、
その微笑みが、店の奥で何やらごそごそやっているこの店の店長に向けられたものであるということは棺にも判っていた
それでも、彼女には理解しがたい事の方が多いのだ。
好きだとか、嫌いだとか、そういった感情は、私には少し難しすぎる。

棺はぼんやりと、ヴィレッタの言葉を頭の中で繰り返しながら考える、
目の前で笑うこの人みたいに、死んだあとでも、まだ、希望というものは持てるものなのか、とか
一生を終えても、人生ってものは続くのかな、とか

「ヴィレッタさんは何故死んだの?」
「愛のため」

ヴィレッタの言葉に棺は小さく顔をしかめる。まただ、愛。
それでも自分の死を誇らしげにそう語る彼女は、嘘をついているようには見えなくて

「…死んだら…私も運命の人に会えるのかな」

ぽつりと、それでもヴィレッタに聞こえるようにしっかりと、棺は呟いた
棺の言葉を聞いたヴィレッタの3つの瞳が一瞬、大きく開かれたかと思うと見る見るうちに細くなる

「人生なんてのは、死んでからの方が長いのよ、実は」

そう呟くヴィレッタの笑顔は心なしか寂しそうに見えて、棺は黙って彼女を見つめた
そっと伸ばした手は、彼女の指に触れることはできなくて、
それが当たり前なのだということに、棺は小さな溜息を漏らすことしかできなくて

「幽霊しか知らないことよ」

幽霊しか知らなくていいことよ、
付け加えられた言葉は彼女の笑顔にそうっと溶けるように消えていく

「そうだね、」

きっとその通りだね
棺はそう呟いて、テーブルの上にぽつんと1つだけ置かれた紅茶のカップに口をつけた



 

秘密の恋のお話を

(きみだけにこっそり教えてあげよう)





***
霊感少女で自殺志願者、なにより棺という可愛いお名前にドキュンされてしまいました/// 今回はお借りできなかったのですが、お父様も素敵で素敵でだいぶ身悶えしてしまい…!! 釣れない棺ちゃんと安月給(笑)のお父様大好きです…!!** ほのぼのご希望ということだったのですが、…御察しの通りほのぼのっぽくシリアス風味ですごめんなさい…!ヴィレッタでご指名頂いたのは初めてだったので、大喜びで書いたせいで大好きなシリアスに流れたようです(…) それでも愛を押してる幽霊ヴィレッタと恋愛に疎い棺ちゃん、書いててとっても楽しかったです…!!´///` よろしければお持ち帰りください^^** 棺ちゃんお疲れさまでした、葡萄野色世さま、すてきなモデルさんをどうもありがとうございました!! また機会がありましたら宜しくお願いします:D



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ありがとうございます^^*
こんばんは、葡萄野色世です。
まずは、採用ありがとうございました( ´∀`)
モデルに採用されるのは久しぶりのことなので
初めてのことのように舞い上がってしまいました←
そしてそして、小説執筆お疲れ様でした・・・!
何度も何度も読み返しては、喜びを噛み締めては
延々にやにやしております←
冒頭のちょっと地声でちゃったじゃない、のくだりで
ヴィレッタ様の明るさに心をガッとつかまれ、
全体を包むヴィレッタ様の楽しいツッコミが
棺の無感情さを程よく中和してくれて
とても楽しく読むことができました^^*
睡蓮様にも楽しく書いていただけたようで
とても嬉しく思います(*´∀`*)

小説を読みながら、頭の中でアニメのように
小説の場面が展開されていき、
心から応募してよかったと思っています^^*
また機会がありましたら、是非剣お父さんのほうも
構ってやってください(*´`*)←
重ね重ね素敵な小説をありがとうございました*
しっかりばっちり、保存させていただきます^^*
せは、乱文になりましたが、これで失礼いたします・・・。
葡萄野色世 0514 2241 ( Sat ) edit
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